就労継続支援B型の平均工賃と報酬改定について
こんにちは。
広島県府中市の「行政書士Astra法務事務所」
代表行政書士の清水 篤です。
就労継続支援B型の運営では、「平均工賃」という言葉を耳にする機会が多いと思います。
令和6年度の報酬改定では、この平均工賃に関するルールが見直されました。
今回は、そのポイントをできるだけ分かりやすく整理してみたいと思います。
平均工賃の計算方法が変わりました
今回の改定で大きく変わったのは、平均工賃月額の計算方法です。
これまでは、利用日数が少ない方が多い事業所の場合、実態よりも平均工賃が低く見えてしまうケースがありました。
しかし改定後は、「平均利用者数」を使って計算する方法に変更されています。
そのため、事業所によっては以前より平均工賃が高く算出される場合もあります。
細かな計算式は少し複雑ですが、
今回の見直しには、
「利用日数だけで不利にならないようにする」
という考え方があると言われています。
工賃の向上がこれまで以上に重要に
今回の報酬改定では、
平均工賃が高い事業所ほど評価されやすい仕組みが強化されました。
また、人員配置についても、従来の配置区分に加えて「6:1」という手厚い配置区分が新設されています。
つまり、
・利用者様の工賃向上を目指すこと
・支援体制を充実させること
この2つが、これまで以上に重要になったと言えるかもしれません。
新規開設時は注意が必要です
就労継続支援B型を新しく開設する場合は、過去の工賃実績がありません。
就労継続支援B型の報酬制度は、利用者様へどれくらいの工賃を支払えているかによって評価される仕組みになっています。
しかし、新規開設の事業所は当然ながら過去の実績がありません。
そのため、
「どの程度の工賃を支払える事業所なのか」
を行政側が判断することができません。
そこで新規指定時は、工賃実績が最も低い区分として報酬が算定される仕組みになっています。
開業準備を進めている方の中には、
「開設したらすぐに高い報酬区分になる」
と思われている方もいらっしゃいますが、実際にはそうではありません。
まずは事業所運営を軌道に乗せ、利用者様へ安定した工賃を支払える体制を作っていくことが大切です。
そして実績が積み上がっていくことで、事業所の評価や報酬区分も見直されていきます。
そのため開業時の資金計画では、
「最初から高い報酬が入る前提で考えない」
ことも重要なポイントの一つです。
大切なのは工賃向上への取り組み
今回の報酬改定から感じるのは、
「利用者様の工賃向上にしっかり取り組む事業所を応援したい」
という国の方向性です。
もちろん工賃だけが全てではありません。
利用者様一人ひとりに合った支援を行いながら、
無理のない形で工賃向上を目指していくことが大切なのだと思います。
制度は定期的に見直されますが、
こうした基本的な考え方を理解しておくことで、事業計画や運営方針も考えやすくなるのではないでしょうか。
これからもこのブログでは、障害福祉サービスの実務について、できるだけ分かりやすく発信していきたいと思います。
広島県府中市
行政書士Astra法務事務所
代表行政書士 清水 篤
